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Investment News
トランプ米政権の大型減税措置を受け、米企業の設備投資は第1・四半期は約7年ぶりの大幅な伸びを示したが、年後半にかけて一段と加速する可能性がある。 S&Pダウ・ジョーンズ・インディセズのデータによると、S&P総合500種を構成する企業の94%の設備投資は第1・四半期は1590億ドルと、前年同期から約21%増加した。前年比での増加率としては2011年第3・四半期以来の大きさとなった。S&Pダウジョーンズのシニアインデックスアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は、「今年は設備投資は拡大する」と予想。市場関係者の間では、実際に今年の設備投資が高水準になれば、来年に入っても企業売上高の伸びが支えられる可能性があるとの見方が出ている。投資の加速が販売増や運営の効率化につながれば、収益の成長サイクルが引き伸ばされる可能性もある。 チャールズ・シュワブ・インベストメントマネジメントの株式・マルチアセット戦略部門担当バイスプレジデント兼最高投資責任(CIO)、オマー・アギラー氏は「マクロ面、および地政学面で大きな変化がない限り、設備投資により(1株当たり利益の伸びは)押し上げられるとみている」と述べた。 トムソン・ロイターのデータによると、大型減税により今年はS&P総合500種構成銘柄の利益見通しがすでに大幅に押し上げられている。一部企業の間では減税で浮いた資金を自社株買い戻しなどを通して株主に還元する動きがすでに出ている。USバンクウエルスマネジメント(ミネアポリス)のシニア株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は、「潤沢な手元流動性を保有する企業は自社株を買い戻しているが、設備投資が次の推進力となる」と指摘。向こう数四半期で状況は一段と明らかになるとの見方を示した。クレディ・スイスによると、第1・四半期はS&P総合500種構成企業の設備投資の増加分のうち、ハイテク産業が44%、エネルギー産業が16.6%、一般消費財産業が15.1%を占めた。 ハイテク部門ではグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL.O)が73億ドルと、前年同期の25億ドルから増加。同社としては少なくとも2004年以来の高水準となった。アップル(AAPL.O)は42億ドルと、30億ドルから増加。アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)は31億ドルと、21億ドルから増加した。UBSの米国株式ストラテジスト、キース・パーカー氏は、「設備投資は利益の増加を受けて増加するものであるため、そもそも設備投資の増加の機は熟していた」と指摘。それでも、「(税制改革は)設備投資が押し上げられ、こうした状況が長続きする追加的な要因となった」としている。(Caroline Valetkevitch記者)*写真を加えました。
インドと欧州連合(EU)は、米国の鉄鋼・アルミニウム関税への報復措置として課税する可能性がある米製品の一覧を世界貿易機関(WTO)に提出した。WTOの提出資料で18日、明らかになった。EUは、コメやクランベリー、バーボン、トウモロコシ、ピーナッツバター、鉄鋼製品などを盛り込んだとしている。インドは大豆油やカシューナッツなどをリストに含めた。インドは、米国が関税を撤廃しなければ、6月21日までに関税措置の効力が発生するとした。EUは6月20日から一部報復措置を適用する可能性を示した。
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は18日、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)(0763.HK)(000063.SZ)に対する措置について、ロス商務長官が現在、見直しを行っていることを明らかにした。同委員長はフォックス・ビジネス・ネットワークに対し「何か構造的な変更があるとすれば、非常に厳しいものになる」とし、「経営陣や取締役会の刷新など、ロス長官が決定し、大統領に助言する」と述べた。カドロー氏はまた、米中通商協議は「良好に」進んでいると指摘。ただ協議が合意に至らなかった場合、トランプ大統領には「厳格な行動を独自に起こす用意がある」とも述べた。
ニューヨーク外為市場はドルが一時急伸、イタリア政治を巡る不透明な状況を嫌気しユーロが弱含んだ。ドル指数は週間で1.2%値上がりし、5営業日連続で上昇した。2月半ば以降では5%上がった。インフレ抑制に向け、追加米利上げを予想する声が広がっている。スコシア銀行(トロント)の首席外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ドル高は引き続き一時的問題とみている。過度のショートポジションのほか、欧州景気の勢いが鈍化して欧州中央銀行(ECB)が年内に量的緩和を縮小する姿勢を阻害しかねないとの懸念を映している」と話した。ユーロは対ドルEUR=で5週間連続で下落。これは2015年以来。終盤の取引で、ユーロはドルに対して5カ月ぶり安値の1.1753ドルに下落した。週間で約1.2%値下がりした。一方、ドル指数.DXYは3月半ば以来の高値となる93.83まで上昇する場面があった。ラボバンク(ロンドン)のFXストラテジスト、ピョートル・マティス氏は「ドル指数が向こう数週間で、次の重要な節目となる94.219と95.149を再び付けると考えるのは妥当だ」「これらの水準を突破すれば、上振れバイアスが強まるだろう」と話した。ドルは対円で4カ月ぶり高値を更新したが、直近ではほぼ横ばい。米国債利回りUS10YT=RRが一段と上昇したことが全般的に下支えしている。シティバンクのストラテジストは顧客リポートで、米財政赤字が来年1兆ドル強に拡大するとの見通しから、ドル高は長く続かないと予想。ドル指数は今後1年間に5%下落すると分析した。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)やECB理事会の議事要旨が公表される予定で、市場の注目を集めそうだ。 ドル/円 NY終値 110.74/110.77 始値 111.02 高値 111.07 安値 110.61 ユーロ/ドル NY終値 1.1775/1.1780 始値 1.1779 高値 1.1789 安値 1.1751
米国株式市場は不安定な値動きとなる中、S&P総合500種とナスダック総合が続落。銀行と半導体株の売りが膨らみ相場全体を圧迫した。ダウ工業株30種は横ばいで引けた。米中通商協議を巡る警戒感に加え、米債利回りや原油価格の上昇などが重しとなり、週足では主要株価3指数はそろって下落した。ブルーダーマン・アセット・マネジメントの首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「誰もが通商協議から何らかの方向性を得ることを望んでいる。原油相場を巡る懸念もくすぶっている」と指摘した。ワシントンで開かれている米中通商協議が2日目を迎える中、中国外務省の報道官はこの日、中国が対米貿易黒字を2000億ドル削減すると提案したとする報道は正しくないと述べた。同時に米国との通商協議は建設的で、継続中と付け加えた。 米国の対中貿易赤字縮小が同社への追い風になるとの期待から、ボーイング(BA.N)は2.1%上昇した。銀行株は低調で、JPモルガン・チェース(JPM.N)、シティグループ (C.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)は軒並み下落。S&P金融株.SPSYは0.9%下落した。投資家の間からは、ローンの伸びが加速、もしくは規制の大幅緩和が実現しなければ、銀行株の上昇余地は限定的との指摘が聞かれた。アプライド・マテリアルズ(AMAT.O)は8.2%下落。低調な見通しを受け、 スマートフォン需要減速を巡る懸念が強まった。米フィラデルフィア半導体指数.SOXは1.4%安と、4月19日以来の安値をつけた。アルファベット(GOOGL.O)は1.1%安。今週末放映の米CBSのニュース番組「60ミニッツ」で同社が取り上げられることへの懸念が圧迫した。通期利益見通し上方修正を好感し、農業機械大手ディア(DE.N)は5.7%高。半面、キャンベル・スープ(CPB.N)は12.4%安。最高経営責任者(CEO)の突然の辞任や通期利益見通し引き下げが売り材料となった。原油価格下落に追随し、S&Pエネルギー.SPNYは0.8%安となった。米中小企業で構成するラッセル2000指数はアウトパフォームし、3日連続で終値で過去最高値を更新した。ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.01対1の比率で上回った。ナスダックでは1.03対1で値下がり銘柄数が多かった。米取引所の合算出来高は61億8000万株。直近20営業日の平均は66億4000万株。
<為替> ドルが一時急伸、イタリア政治を巡る不透明な状況を嫌気しユーロが弱含んだ。ドル指数は週間で1.2%値上がりし、5営業日連続で上昇した。2月半ば以降では5%上がった。インフレ抑制に向け、追加米利上げを予想する声が広がっている。スコシア銀行(トロント)の首席外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ドル高は引き続き一時的問題とみている。過度のショートポジションのほか、欧州景気の勢いが鈍化して欧州中央銀行(ECB)が年内に量的緩和を縮小する姿勢を阻害しかねないとの懸念を映している」と話した。ユーロは対ドルEUR=で5週間連続で下落。これは2015年以来。終盤の取引で、ユーロはドルに対して5カ月ぶり安値の1.1753ドルに下落した。週間で約1.2%値下がりした。一方、ドル指数.DXYは3月半ば以来の高値となる93.83まで上昇する場面があった。ラボバンク(ロンドン)のFXストラテジスト、ピョートル・マティス氏は「ドル指数が向こう数週間で、次の重要な節目となる94.219と95.149を再び付けると考えるのは妥当だ」「これらの水準を突破すれば、上振れバイアスが強まるだろう」と話した。ドルは対円で4カ月ぶり高値を更新したが、直近ではほぼ横ばい。米国債利回りUS10YT=RRが一段と上昇したことが全般的に下支えしている。シティバンクのストラテジストは顧客リポートで、米財政赤字が来年1兆ドル強に拡大するとの見通しから、ドル高は長く続かないと予想。ドル指数は今後1年間に5%下落すると分析した。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)やECB理事会の議事要旨が公表される予定で、市場の注目を集めそうだ。<債券> オーバーナイトで10年債利回りが一時約7年ぶり高水準を付けた後、低下した。今週は債券が売られ、安値拾いの買いが入った。一部のテクニカル指標によると、債券市場は昨年12月以来最も売られている状態にある。利回りが数年ぶりの高水準を記録し、一部のファンドマネジャーが今週、長期国債を買い増す動きにつながった。市場関係者の多くが、国債価格は再び下落し、10年債利回りは2011年5月以来となる3.25%近辺に向かうとみている。RWプレスプリッチの政府・エージェンシー取引部門責任者、ラリー・ミルステイン氏は「指標がなお極めて良好で、投資家らは好調な景気状況を認識している」と話す。10年債利回りUS10YT=RRは4ベーシスポイント(bp)低下して3.071%。ロイターのデータによると、海外の取引時間に一時、3.128%と11年7月以来の高水準を付けた。週間の上昇幅は約10bpと、1カ月ぶりの大きさとなる勢いだ。サントラスト・アドバイザリー・サービシズの債券部門幹部、アンドルー・リッチマン氏は「投資家は市場の動きを消化している」と指摘、利回りが再び上昇すると予想した。2年債利回りUS2YT=RRは2bp低下して2.553%。6週連続で上昇する見通し。10週連続で上昇した昨年第4・四半期以来の長さとなる。30年債利回りUS30YT=RRはオーバーナイトで一時、14年10月以来の水準となる3.264%まで上昇した。週間の上げは2月初め以来の大きさとなる見込みだ。財務省は来週、990億ドルの固定金利クーポン債や160億ドルの2年物変動利付債入札を予定しており、国債需要の強さが試される。<株式> 不安定な値動きとなる中、S&P総合500種とナスダック総合が続落。銀行と半導体株の売りが膨らみ相場全体を圧迫した。ダウ工業株30種は横ばいで引けた。米中通商協議を巡る警戒感に加え、米債利回りや原油価格の上昇などが重しとなり、週足では主要株価3指数はそろって下落した。ブルーダーマン・アセット・マネジメントの首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「誰もが通商協議から何らかの方向性を得ることを望んでいる。原油相場を巡る懸念もくすぶっている」と指摘した。ワシントンで開かれている米中通商協議が2日目を迎える中、中国外務省の報道官はこの日、中国が対米貿易黒字を2000億ドル削減すると提案したとする報道は正しくないと述べた。同時に米国との通商協議は建設的で、継続中と付け加えた。 米国の対中貿易赤字縮小が同社への追い風になるとの期待から、ボーイング(BA.N)は2.1%上昇した。銀行株は低調で、JPモルガン・チェース(JPM.N)、シティグループ (C.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)は軒並み下落。S&P金融株.SPSYは0.9%下落した。投資家の間からは、ローンの伸びが加速、もしくは規制の大幅緩和が実現しなければ、銀行株の上昇余地は限定的との指摘が聞かれた。アプライド・マテリアルズ(AMAT.O)は8.2%下落。低調な見通しを受け、 スマートフォン需要減速を巡る懸念が強まった。米フィラデルフィア半導体指数.SOXは1.4%安と、4月19日以来の安値をつけた。アルファベット(GOOGL.O)は1.1%安。今週末放映の米CBSのニュース番組「60ミニッツ」で同社が取り上げられることへの懸念が圧迫した。通期利益見通し上方修正を好感し、農業機械大手ディア(DE.N)は5.7%高。半面、キャンベル・スープ(CPB.N)は12.4%安。最高経営責任者(CEO)の突然の辞任や通期利益見通し引き下げが売り材料となった。原油価格下落に追随し、S&Pエネルギー.SPNYは0.8%安となった。米中小企業で構成するラッセル2000指数はアウトパフォームし、3日連続で終値で過去最高値を更新した。ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.01対1の比率で上回った。ナスダックでは1.03対1で値下がり銘柄数が多かった。米取引所の合算出来高は61億8000万株。直近20営業日の平均は66億4000万株。<金先物> 週末に伴う持ち高調整の買いなどが入り、小反発した。中心限月6月物の清算値は前日比1.90ドル(0.15%)高の1オンス=1291.30ドル。ただ、週間では2.23%安となった。米長期金利の高止まりが重しとなり、前日夕方以降はジリ安で推移。早朝の外国為替市場でドル買い・ユーロ売りが急速に進んだ場面では割高感も加わって下げ幅を拡大し、一時1285ドル近くまで値を崩した。 しかし、前日に付けた安値の1284.00ドルが迫ると、週末を控えて持ち高調整の買い戻しや安値拾いの動きが台頭。前日から再開されている米国と中国の貿易摩擦解消に向けた協議をめぐる不透明感も根強く、安全資産とされる金塊買いを支援した。さらに、米長期金利がこの日、緩やかに低下していることも金利を生まない金塊には追い風となり、午前の遅い段階からはプラス圏に浮上した。 金塊現物相場は午後1時50分現在、1.800ドル高の1292.095ドル。<米原油先物> ドル高・ユーロ安の進行を背景に割高感による売りに押され、下落した。米国産 標準油種WTIの中心限月6月物の清算値は、前日比0.21ドル(0.29%)安の1バレル=71.28ドル。週間ベースでは0.82%高となった。7月物は0.20ドル 安の71.37ドルだった。この日は外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行。ドル建てで取引される原油などの商品に割高感が生じ、売り圧力が強まった。また、原油相場はこのところ約3年半ぶりの高値圏で推移している上、週末という要因も重なって利益を確定する動きも見られた。ただ、ベネズエラの大統領選を20日に控えて、同国政権の先行きに対する警戒感から原油を買う動きもみられ、下値は限定的だった。ベネズエラでは独裁色を強める反米左派の現職マドゥロ氏の再選が濃厚となっているが、同氏が当選すれば米国が新たな経済制裁を発動する可能性もあり、ベネズエラ産原油が一段と減少するとの見方が広がっている。また、米国による対イラン経済制裁の再発動方針も引き続き支援材料。
中国の保険会社は高いリターンを手に入れるため、地方政府のインフラ整備計画や不動産に資金を融通しているシャドーバンキング(影の銀行)への投資を増やしている。保険会社や信託業界の関係者がロイター通信に明らかにした。2012年の規制緩和以降、理財商品などシャドーバンキングに対する保険会社の資金配分は急激に増加。中国政府は地方政府の債務リスクや不動産バブルを抑制しようと躍起だが、当局がシャドーバンキングに規制を掛け、15兆ドルの規模に達した資産運用セクターに対して一律に規則を適用する困難さが浮き彫りになった。アナリストによると、シャドーバンキングは仕組みが複雑で不透明なため、保険業者が最終的な借り手を突き止め、実際のエクスポージャーを把握するのは難しい。ムーディーズの保険担当シニアクレジットオフィサー、チェン・チュ氏は「そもそも心配なのは、これらの金融商品が透明性を欠いており、保険会社は何に投資しているのか完全には把握していないことだ」と指摘する。保険会社は全運用資産のうち最大55%までをオルタナティブ投資に振り向けることができる。この比率は2012年には9%だったが、17年には40%に高まった。ロイターが保険会社の資産運用データを分析したところ、この40%の中で最終的に不動産やインフラ分野に融資する債務投資が最大の割合を占めていた。保険会社をシャドーバンキングに引きつけている主な要因はその高いリターンだ。統計によると、17年末時点で中国企業の高格付け社債の平均利回りは約5%だったが、信託商品の平均リターンは9.42%だった。ムーディーズのチュ氏は「各社は格付けの高い、非標準的な投資プロジェクトを求めて競わざるを得ない」と話す。業界関係者などによると、中国政府は主要都市の過熱した不動産市場の沈静化や地方政府による借り入れの抑制に取り組んでいるが、保険会社のシャドーバンキングに対する投資意欲に衰えはみえない。それどころか、これまでシャドーバンキングへの主な資金供給元だった銀行が当局の規制で資金を引き揚げざるを得なくなったことから、保険会社は融資の際の金利引き上げを求めることが可能になっているという。国内生命保険最大手の中国人寿保険(601628.SS)(2628.HK)は、2017年は信託商品や理財商品など債務商品への投資額が3018億元(474億5000万ドル)と前年から倍以上に増加。全体の投資利回りは2.43%から4.55%へと大幅に上昇した。関係筋によると、昨年の新規投資には広州市の開発区(70億元)、天津市浜海の新開発区(80億元)、国営の中国アルミニウム(100億元)などが含まれている。ロイターの分析によると、時価総額で国内最大手の中国平安保険(2318.HK)(601318.SS)は昨年、投資総額の14%に当たる3359億元を債務商品に投資した。
米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O)のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が新たな資金調達を必要としているなら、方法はありそうだ。米著名投資家ジョージ・ソロス氏は15日、3500万ドル(約39億円)相当の同社シニア転換社債を第1・四半期中に取得したことを明らかにした。転換社債は発行時に定められた値段で社債から株式に転換することが可能。投資家はテスラの株価が上昇すれば利益を手にできるし、株価が上がらなくてもリスクから身を守れる。テスラの株価は昨年386ドルの高値を付けた後は下げており、16日は286.48ドルで取引を終えた。マスク氏は年内の追加調達の必要性を否定している。しかし市場関係者は懐疑的で、低価格セダン「モデル3」の製造目標を達成できない状態が続けば調達は必至とみている。テスラの昨年のジャンク(投資不適格級)債発行と見比べた投資家からは、ジャンク債の再発行よりも転換社債の方が魅力的だとの声が上がっている。今年テスラの2022年償還転換社債を購入したガーバー・カワサキ・ウエルス・アンド・インベストメント・マネジメントのロス・ガーバーCEOは「素晴らしい手段だ」と話し、買い増す考えを示した。投資家はテスラのモデル3の製造能力や同社の自動運転技術を搭載した車の事故に気をもんでおり、テスラの社債も値下がりしている。しかしイートン・バンス・マルチセクター・インカム・ファンドの共同ポートフォリオマネジャー、ヘンリー・ピーボディー氏は「テスラの保有現金が今のペースで減り続ければ、今後3四半期以内の資本調達が避けられない」と述べ、その場合同社が転換社債を発行する公算が大きいとした。テスラからのコメントは得られていない。テスラの株価が現在程度の水準を保った場合、ソロス氏など同社の転換社債を買った投資家は期限を迎えたときに額面での償還が可能で、転換社債の購入価格が安ければ利益が得られる。米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、ソロス・ファンド・マネジメントが購入したのは2019年3月償還の転換社債。この社債は転換価格が359.87ドルで、16日終値を上回っている。テスラの株価が転換価格を超えれば、ソロス氏は転換社債をテスラの普通株9万7000株強と交換するだろう。投資の妙味はこちらの方が大きい。いずれにせよ、転換社債を購入した投資家は当面、年0.25%の金利収入を手にできる。ヘッジファンドも転換社債を好む。転換社債は企業の株式を空売りする際のリスク調整に利用できるからだ。一方、ジャンク債の場合は最も望ましいシナリオでも額面での償還止まり。テスラの財務が悪化してもほとんど身は守れない。ただ、テスラにとって転換社債の方が良い選択肢ではあっても、ジャンク債に対する優位性はそれほど大きくないとの見方もある。ブラウン・アドバイザリーの債券ヘッド、トーマス・グラフ氏は「テスラの現状を考えれば転換社債の方に大いに分がある」と述べ、起債の成功を予想したが、自身は購入を見送る考えを示した。(Kate Duguid記者、Trevor Hunnicutt記者)
米共有オフィス運営大手のウィワークは先月、7億0200万ドルのジャンク債を発行したが、投資家の引き合いが弱かったため、最終的に利回りを約1%ポイント引き上げて、7.875%にせざるを得なくなった。近年のジャンク債発行市場で滅多に目にすることがなかったこうした現象が、ここにきていくつか発生しており、高利回りを追求して何でも手を出してきた買い手の姿勢に変化が生じていることが分かる。実際過去2カ月間で、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)で「BB」ないしそれ以下、ムーディーズでは「Ba」とそれ以下の格付けの債券について、投資家は表面利率が低かったり、発行体への制限条項(コベナンツ)が緩い案件への参加を拒絶している。無理にジャンク債を買わなくても、米10年債利回りが4年余りぶりに3%を超えるなど、より安全な債券の妙味が増してきたからだ。石油業界向けを中心に建設・エンジニアリング事業を手掛ける米マクダーモット・インターナショナル(MDR.N)や、グリーティングカード大手アメリカン・グリーティングスなども、起債において利回りを上げたり、コベナンツをより厳しくするといった対応を余儀なくされた。オッペンハイマー・ファンズ(運用額2430億ドル)のクリシュナ・メナミ最高投資責任者は「われわれはすべての案件であらゆるコベナンツに目を配り、熱心に交渉している」と語り、自身を含む投資家に不利な条件は拒絶する姿勢を鮮明に打ち出している。債券投資家は、このままジャンク債を強気に買い続けることへの不安から、選別的になっている面もある。 イートン・バンス(運用額4340億ドル)の債券分散化ディレクター、キャスリーン・ガフニー氏は「ジャンク債発行市場にいくつかの亀裂があり、それがやみくもに買うなと投資家にシグナルを送っている」と述べた上で、今は市場環境悪化の際にジャンク債がアンダーパフォームするリスクが適切に織り込まれていないので、もっと利回りを上げてくれないと買いたくないと付け加えた。<コベナンツの質改善>ムーディーズのコベナンツ質指数(CQI)を算出するエバン・フリードマン氏によると、現段階ではまだ過去と比べてコベナンツが脆弱であるのは間違いない。また全般的に投資家がジャンク債購入の見返りに受け取るプレミアムは、景気後退後の最低水準に近い。例えばICEバンク・オブ・アメリカ/メリルリンチ高利回り債指数を見ると、4月のジャンク債と米国債の利回りスプレッドは3.24%ポイントと、07年7月以降の最低水準をわずかに0.01%ポイント上回る程度だった。ただその後スプレッドは3.43%ポイントまで拡大しているほか、ムーディーズのCQIは4月まで4カ月連続で改善している。昨年には、発行体が資産売却で得た資金を債務返済もしくは事業投資に振り向けることを義務付ける条項を免除する形の起債を、2社が初めて実施した。ところが独立系信用調査会社コベナント・レビューのアナリスト、ロス・ハロック氏によると、今年3社が同様の試みをしたものの、いずれも失敗したという。 (Kate Duguid記者)
中央銀行があらかじめ金融政策の道筋を示すことで市場の安定を図る「フォワードガイダンス」が、かえって市場を混乱させる例が目立っている。金融市場はほんの数週間前まで、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)が5月10日に利上げすることを確信していた。しかしカーニー総裁が意表を突くハト派的な発言を行ったことで流れは一転し、ポンド相場は急落した。理論上、フォワードガイダンスは金融政策の見通しを分かりやすくして企業や金融機関のリスクを和らげ、投資を促進する。一般市民にとっても、家計の計画を立てやすくなる効果が期待されている。カーニー総裁が姿勢を翻したのは今回が初めてではなく、2014年には議員から「不誠実なボーイフレンド」というあだ名まで付けられた。総裁はBOEが金利据え置きを決めた10日の記者会見で「(家計や企業は)BOEが何らかの規定路線をたどることを期待してはいない。受動的ではなく慎重な行動を望んでいる。従って、状況が適切ならわれわれは政策を調整する」と述べ、金融市場やメディアではなく、主に家計や企業を意識していると強調して批判をかわそうとした。しかし、それではなぜガイダンスを示すのかという疑問が浮かぶ。フォワードガイダンスを示して撤回を迫られたのは日銀も同じだ。黒田東彦総裁は3月、2%の物価上昇率目標が予想通りの時期に達成されていれば、2019年度ごろに出口政策を検討しているだろうと発言。しかし数日後、「19年度に直ちに出口を迎えると申し上げたわけではない」と釈明した。(Jonathan Cable記者)
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